圧力鍋で殺傷能力がある爆弾が作れる!テロでも使われる圧力鍋爆弾とは?

家庭用の調理器具である圧力鍋で爆弾が作られ、世界中で爆破テロ事件が起こされています。圧力鍋爆弾の製造方法はインターネット上でも広まり、比較的容易に材料も入手できてしまうのだとか。圧力鍋爆弾の作り方やその原理、使用された事件について詳しく紹介します。

圧力鍋で殺傷能力がある爆弾が作れる!テロでも使われる圧力鍋爆弾とは?のイメージ

目次

  1. 圧力鍋爆弾とは?
  2. 圧力鍋爆弾の威力
  3. 圧力鍋爆弾の仕組みと原理
  4. アルカイダは雑誌で爆弾の作り方を掲載した
  5. 圧力鍋爆弾の作り方を詳しく放送した各テレビ局
  6. 圧力鍋爆弾が使用されたテロ事件
  7. 日本でも圧力鍋爆弾による事件はあるのか?
  8. キューリが爆発する?爆弾に使用される鉄パイプ
  9. 日本の爆弾に関する法律と違反時の罰則
  10. 普通に料理をしていたら、圧力鍋が爆発した
  11. まとめ:圧力鍋を注文すると警察が来る?

圧力鍋爆弾とは?

調理器具である圧力鍋を利用した爆弾とはどのようなものなのでしょうか。
その構造と仕組み、破壊力について詳しく見ていきます。

出典: http://www.nydailynews.com

圧力鍋を使用した爆弾のイメージ

そもそも圧力鍋とは?

出典: http://www.asahikei.co.jp

圧力鍋を使った料理例

家庭で料理をする人にとっては馴染みが深い圧力鍋。
圧力鍋とはステンレスやアルミでできた鍋で、容器に蓋をして密閉し加熱すると、中の圧力が高まり食材を高温で調理できる仕組みになっています。
なお、圧力がかかり過ぎるのを防ぐため、蒸気が逃げるように気圧の原理を利用した蒸気弁も取り付けられています。
家電量販店やインターネットでも手軽に購入することが可能です。

圧力鍋爆弾の構造

出典: https://ameblo.jp

圧力鍋爆弾とは即席爆発装置と呼ばれ、大まかにいうと圧力鍋の中に容器が破裂するだけの量の爆薬が入った構造をしています。
中に入れる材料や装置には以下のようなものが使われる場合が多いようです。

・爆薬(TNT爆薬(つまりダイナマイト))
・雷管(爆薬を爆発させる装置)
・キッチンタイマー(時限装置やリモートコントローラ)
・金属片や釘(殺傷能力を高めるため)

ではなぜ爆弾を作るのに圧力鍋を使うのでしょうか。
その理由は、爆薬のみで爆発させるよりも安価で簡単に爆発力・殺傷力を高めることができるからです。
圧力鍋の構造は高い圧力に耐えるだけの頑丈さになっており、その高圧になる原理を利用して爆発時に凄まじい衝撃波を発生させます。

圧力鍋爆弾の威力

では次はその威力を試した実験の様子を見ていきましょう。
以下の動画はアメリカのCNNテレビが放送した爆発実験映像です。

出典: https://www.pbs.org

爆発の様子

爆発させた直後、周囲に衝撃波が走り土煙が広い範囲に立ち上ります。囲んでいた板は数メートル吹き飛びました。
圧力鍋は粉々になり、材料として入れられていたナットも板を鋭く突き破っています。これが人混みの中で爆発した場合、十数人の死者や何十人もの規模のけが人が出てしまうそうです。

圧力鍋爆弾の仕組みと原理

出典: http://www.cbc.ca

爆弾の仕組み

圧力鍋爆弾の仕組みと原理について説明していきます。

1.まず上記で紹介した材料のうち、時限装置や携帯電話の操作などが引き金となり、雷管を起爆します。

2.そしてメインの爆薬に引火して爆発します。
テロリスト達は安価に手に入る爆薬を主に使用し、少量だけ高価なダイナマイトを混ぜて使うことが多いようです。
なお、安価な材料としては硝酸アンモニウムや軽油を混ぜたものなどがあります。

3.爆発した瞬間、大量のガスが発生して鍋内部の圧力が急激に高まります。

4.すると耐え切れなくなった容器が破裂し、爆炎と衝撃波とともに中の金属片が周囲に飛び出すという仕組みです。

破壊力を測る指標としては爆速(爆発時の衝撃波のスピード)がありますが、圧力鍋爆弾の場合は秒速4,000mにもなるそうです。
これはダイナマイトの約6割の威力に相当します。

アルカイダは雑誌で爆弾の作り方を掲載した

出典: http://www.mirror.co.uk

アルカイダが発行する雑誌

2001年にアメリカ同時多発テロ事件を引き起こしたとされる国際テロ組織アルカイダ。
この組織は2010年に独自に発行している雑誌で爆弾の作り方を掲載しました。
記事で扱っている材料は、砂糖、マッチ、パイプ、電球、バッテリー、そして時計で、爆弾の仕組みや構造を解説しているそうです。
こうして世界にテロ活動を煽り、共感した人々が各地でテロを起こしている現状です。

圧力鍋爆弾の作り方を詳しく放送した各テレビ局

出典: https://ameblo.jp

ボストンマラソン爆弾テロ事件

2013年4月16日(日本時間)にアメリカ・マサチューセッツ州ボストンでマラソン大会の最中に爆弾テロ事件が発生しました。
この事件で死亡者は3人、けが人は182人に上りました。
現場検証の結果、爆発物は本記事で取り上げている圧力鍋爆弾であることが判明しています。
事件は日本の各テレビ局も大々的に取り上げましたが、その際には爆弾の作り方も説明されました。

出典: http://supalove.com

2015年からは『モーニングショー』に名称変更されている

とりわけ詳しい解説をしたのが当時の「モーニングバード!」(テレビ朝日系)です。
放送内では「安価」「簡単」などの言葉を多用し、スタジオに実際に圧力鍋と具体的な材料を持ち込み、ジャーナリストの人がまるで料理番組のように順序を追って作り方を紹介する様子が映されました。さらに、釘が目一杯詰まった「できあがりの爆弾」もアップで生々しく放送されたのです。
さすがに完璧に作れるだけの情報や原理までは説明されませんでしたが、もしかするとこの放送がきっかけで、実際に作ってしまった人が居たかもしれません。

爆弾の作り方の報道に対する批判の声

「モーニングバード!」の放送を見た視聴者からは批判の声が殺到しました。
なお、テレビ朝日はこれらの問合せに対し、「番組に対するご指摘は、今後の放送に生かしてまいりたいと考えます」との返答だったそうです。

圧力鍋爆弾が使用されたテロ事件

 ニューヨーク・マンハッタンの爆破事件

出典: https://themuslimissue.wordpress.com

爆弾が仕掛けられたごみ収集箱の残骸

アメリカ・ニューヨーク市マンハッタンで2016年9月17日(現地時間)、道路脇にあるゴミ収集箱に設置された圧力鍋爆弾によって爆破テロ事件が起こりました。
爆弾の構造は上記で説明したものと同様で、鍋にボールベアリングなどの大量の金属片が入れられ、携帯電話による起爆装置も付けられていたそうです。
この爆発で少なくとも29人の負傷者が出ましたが、2日後に犯人は逮捕されています。

インドネシア・ジャカルタの自爆テロ

出典: http://www.newsweekjapan.jp

バス停車場付近で圧力鍋爆弾が爆発した

2017年5月24日に、インドネシア・首都ジャカルタの東部で自爆テロがありました。
爆発は公共のバス停車場付近で2度連続して起き、2人の自爆犯のほか3人が死亡、10人が重軽傷を負いました。
自爆犯の所持品からは圧力鍋の購入レシートも見つかり、手製の圧力鍋爆弾が使用されたと見られています。

日本でも圧力鍋爆弾による事件はあるのか?

2015年11月23日の「靖国神社”爆発音”事件」では、靖国神社にあるトイレで鉄パイプ型の爆弾が使用され、トイレの一部が破壊されました。
犯人は韓国在住の韓国人、全昶漢(チョン・チャンハン)容疑者(当時27歳)で、計画では破壊力の高い圧力鍋爆弾を神社本殿に仕掛けるつもりだったそうです。
もし計画が実行されていれば、甚大な被害となり国際問題に発展していたことでしょう。

出典: http://www.sankei.com

全昶漢(チョン・チャンハン)容疑者

出典: http://www.sankei.com

事件に使われた材料と仕掛けた場所

産経ニュースの記事

キューリが爆発する?爆弾に使用される鉄パイプ

出典: http://gtavphoto.blog.jp

鉄パイプ爆弾の構造は圧力鍋爆弾と似ている

圧力鍋爆弾と並び即席爆発装置として作られるのが鉄パイプ爆弾です。
鉄パイプ爆弾とは、工事用などの鉄製のパイプが使われる爆弾ですが、その仕組みや原理は前述した圧力鍋爆弾と同様です。
なぜ鉄パイプが使われるのかというと、やはり入手しやすく容易に破壊力を高めることができるからです。ホームセンターなどでも簡単に購入することができてしまいます。
作り方としては、まず使用される鉄パイプは両端がネジ切りされているため、ボルトを締めれば密閉可能な鉄の容器となります。圧力鍋の場合と構造的な違いは容器だけで、密閉して圧力を高めるところは同じ原理です。
そこに火薬や信管、金属片を詰めれば爆弾となるのです。

日本の学生運動で過激派が使用した

出典: https://www.flickr.com

鉄パイプの形状から「キューリ」と呼ばれた

日本では1960年代から70年代にかけて学生運動が盛んになり、活動家たちの中には赤軍派などの武装集団も現れました。
学生同士の闘争が起こった際、鎮圧しようとした機動隊との衝突時も起こりました。そのとき鉄パイプ爆弾を投げつけられ、隊員37名が負傷したという記録もあります。

日本の爆弾に関する法律と違反時の罰則

出典: http://www.city.higashiosaka.lg.jp

火薬類取締法

日本の現行法では、火薬や爆発物に関する法律は、主に以下の2つが挙げられます。
①火薬類取締法(かやくるいとりしまりほう、昭和25年法律第149号)
②爆発物取締罰則(ばくはつぶつとりしまりばっそく、明治17年太政官布告32号)

①の火薬類取締法の目的は、

第一条 この法律は、火薬類の製造、販売、貯蔵、運搬、消費その他の取扱を規制することにより、火薬類による災害を防止し、公共の安全を確保することを目的とする。

とあります。
そして火薬類を製造する際には経済産業省の許可が必要で、違反した場合には3年以下の懲役または100万円以下の罰金に処され、併科されることもあります。

②の爆発物取締罰則について要約すると、
「治安を妨げたり、人の身体や財産を害する目的で爆発物を使用したり人に使用させたりした場合、死刑または無期、もしくは7年以上の懲役か禁錮に処す」と定められています。
これは殺人罪(死刑・無期懲役・または5年以上)と同等の重罪です。

普通に料理をしていたら、圧力鍋が爆発した

圧力鍋は時に爆弾でなくとも悲惨な事故になる可能性もあります。
こちらは南米のレストランの防犯カメラが捉えた爆発事故の様子です。
店員が圧力鍋に近づいた瞬間、突然圧力鍋から蒸気が噴き出して落下し、爆発しました。店員はあわや直撃するというところで間一髪逃れることができました。

出典: http://karapaia.com

キッチンで爆発した圧力鍋

こちらはとある海外のキッチンの様子ですが、「もう夕食を作ることは許されないだろう」というタイトルで掲示板に投稿された写真です。
普通に料理をしていたところ圧力鍋が爆発して下のコンロを突き破り、蓋は上の換気扇のカバーを吹き飛ばして天井に突き刺さっていて、衝撃の凄まじさが伺えます。
運が悪ければ死傷者も出たかもしれない惨事ですが、もちろん正しい使い方をすれば事故が起こることはありません。

まとめ:圧力鍋を注文すると警察が来る?

出典: https://www.pinterest.jp

FBI(連邦捜査局)が押し入っていた

2013年、あるアメリカの主婦がインターネットで圧力鍋を注文したところ、なんと家に警察が捜査に来るという騒動がありました。
夫はリュックサックを検索し、息子はボストン爆破テロ事件を調べた履歴があることから、警察はテロと連想して家宅捜索に踏み切ったそうです。
警察に監視されていたことも問題視されていますが、料理をしようと圧力鍋を買っただけで捜査に来たらたまりませんね。
本来、圧力鍋は料理を美味しくし時間短縮ができる便利な調理器具です。
使う人次第では人を悲しませたりしますが、どうせなら美味しい料理を作り、人を喜ばせてほしいものです。

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