悪夢を見る原因とは?悪夢障害の治療法や薬、症状まとめ【診断チェック】のイメージ

悪夢を見る原因とは?悪夢障害の治療法や薬、症状まとめ【診断チェック】

くりかえし同じ悪夢を見続けてしまうと考えると恐ろしいですよね。実は、そんな悪夢を見続ける悪夢障害という症状が実際にあるんです。悪夢障害の原因は、案外誰にでも起こりうる身近なものにあったりします。悪夢障害の原因や症状をご紹介します。2017年08月20日更新

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悪夢障害とは?普通の悪夢とは何が違う?

悪夢や怖い夢を見た経験がある人は少なくないことでしょう。とくに子供時代にはよく悪夢を見たという人は多いかもしれません。大人になってからでも、これまでに経験した怖い出来事が夢で再現されたり、怖いと思っているものが夢の中に登場するということは、決して珍しいことではありません。しかし、悪夢障害はそんな一般的な悪夢とは少し違います。悪夢障害とは、一体どのような障害なのでしょうか?

悪夢障害とは睡眠障害のひとつで、悪夢障害と一般的な悪夢の違いに「悪夢の細部までをはっきりと思い出せる」「日中の行動に支障をきたす」などがあげられます。悪夢障害とは何か知るために有効な情報や、悪夢障害の詳しい症状、診断方法についてご紹介します。

悪夢障害とは?悪夢障害の症状の大きな特徴

悪夢障害の大きな特徴には以下のようなものがあります。

・目覚めてからも悪夢の細部までをはっきりと思い出せる
・命が脅かされる夢を繰り返し見る、あるいは苦しかった過去の体験といった同じような内容の悪夢を毎日見続ける
・覚醒後も強い不快感や不安が持続する

悪夢障害が原因で起きる症状の一例

悪夢障害によって引き起こされる症状には、以下のようなものがあります。

 ・悪夢を見たくないがために、ベッドに入ることが怖い
 ・日中も悪夢のことを思い返し、イライラや不安などの感情が消えない
 ・起きている間も憂鬱な気持ちが強く、社会生活が困難になる
 ・頭がぼんやりとし無気力な状態に陥る

もし、これらの症状がある場合は下にある悪夢障害の診断チェックを行ってみましょう。これらの症状によって睡眠不足が極端に減少すると、遅刻や欠勤が増えて社会的な信用を失ってしまうなどの弊害も生まれます。早めに病院を受診することが大事です。

不調の原因は悪夢障害かも?悪夢障害の診断チェック

悪夢障害が疑われる場合、診断チェックを行ってみましょう。

悪夢障害の診断基準 1.中途覚醒(夜間の目覚め)が繰り返しみられ、そのときにかなり不快な夢が思い出せる 2.夢は恐怖や不安、怒り、悲しみ、嫌悪感など不快な感情を伴う 3.目を覚ましてからも悪夢の内容をはっきり思い出せる 4.悪夢で目が覚めた後、再び寝つくのに時間がかかる 5.明け方に悪夢を見る ※1,2,3は必須。4,5はいずれか片方だけでよい

診断チェックの結果「もしかしたら自分も悪夢障害かも?」と感じたら、病院を受診することをおすすめします。ここで紹介した診断チェックは、あくまでも悪夢障害とは何かを知るための手段のひとつだと考えてください。

大人の悪夢と子供の悪夢の違い

子供時代に見る悪夢は、情緒の発達の過程で起こるものだと考えられており、大人よりも子供の方が悪夢に悩まされやすいといえます。子供が見る悪夢は大人が見る悪夢とは違い、成長するにつれて徐々に悪夢を見なくなっていく点が大きな違いです。

幼児や子供に悪夢障害が起きている場合は、近くにいる大人が適切なケアを行ってあげることが必要となりますが、大人の場合は家族に気を遣ってしまい、簡単には相談できないこともありますよね。誰にも言えないと一人で悩まず、専門家や病院に相談することが大事です。

どんな大人が悪夢障害に悩まされる?

子供時代には悪夢を見ることが少なかった人が、大人になってから悪夢に悩まされるパターンがあります。同じ大人でも感受性が強い人ほど、悪夢を見やすいという説も。成長期を終えた大人になってから毎日悪夢を見てしまうという場合は、専門医による診断と治療が必要になる場合があります。

大人の悪夢障害は、原因を取り除かない限り自然に完治することが難しい場合や、症状が長引く場合があります。

人間はどんなタイミングで悪夢を見ている?

悪夢障害とは何かを知るために、人間が夢を見るメカニズムについて知りましょう。人間は浅い眠りと深い眠りを交互に繰り返して睡眠をしています。脳を休めるための浅い眠りをレム睡眠、体を休めるための深い眠りをノンレム睡眠と呼びます。睡眠とは、このレム睡眠とノンレム睡眠の2種類の眠りから成り立っています。年代や体の状況によって若干の誤差はあるものの、人間は大体90分周期でレム睡眠とノンレム睡眠を繰り返しています。

深い眠りに落ちている間も夢を見ているのですが、ぼんやりとして内容を詳しくは記憶していない場合が多く、人間は眠りが浅いレム睡眠にあるときの方が、夢の内容をはっきりと記憶しやすいといえます。そのため、内容が細部まで思い出せる悪夢はレム睡眠時に見ているのだと考えらえます。

悪夢が何度も繰り返されるのはなぜ?

同じ悪夢が一晩の間に何度も繰り返されるなんて、つらいですよね。悪夢が繰り返される原因を知るには、レム睡眠とノンレム睡眠の関係性を学ぶことが必要です。

レム睡眠とノンレム睡眠は交互に繰り返されます。悪夢障害では同じ内容の悪夢を見続けてしまうことが特徴です。レム睡眠とノンレム睡眠は同じ周期で一晩に4~5回訪れます。ノンレム睡眠からレム睡眠に切り替わったとき、悪夢を見て目覚めていると考えられます。

レム睡眠はノンレム睡眠とは違い、浅い眠りですが外部からの音や光は遮断されています。つまり、レム睡眠時は眠りが浅いためノンレム睡眠時とは違って覚醒しやすい状態です。悪夢障害と同じく睡眠障害の一種とされている金縛りにも、レム睡眠とノンレム睡眠の関係が深くかかわっています。眠りが浅いレム睡眠時、あるいはレム睡眠からノンレム睡眠に切り替わる手前でふいに目覚めてしまうと、肉体が完全に目覚めていない状態で脳が覚醒し、金縛りが起きます。

悪夢障害の症状が進行するとどうなる?

悪夢障害は夜間に何度も目覚めてしまうため、心身を十分に休めることが困難です。また、悪夢を見ないようにするために、眠ること自体を拒否しようとしたり強い睡眠薬や精神安定薬、過度の飲酒に頼るという事態も考えられます。薬やアルコールが手放せないような生活は、できれば送りたくないですよね。人間の体は睡眠をとらなければ、病気に対する抵抗力も落ちてしまいます。たかが悪夢と言って放置していると、深刻な状況に陥ってしまう危険性があるのです。

悪夢障害が起こる原因について

心的外傷(トラウマ)が原因の悪夢

事故や災害にあった経験、家族を失った経験、大人になった後も子供時代に受けたいじめが忘れらないなど、様々な悲しい体験やショックな出来事がもとになって受けた心の傷のことを、心的外傷と呼びます。心的外傷が原因で起こる症状には、悪夢障害の他にも心的外傷後ストレスやうつ病などがあります。

 心的外傷が原因の悪夢障害の症状の一例
 ・大切にしていたペットを失ったときの出来事が何度も悪夢としてよみがえる
 ・いじめにあった過去の体験を夢に見て、苦しみの感情が呼び起こされる

過去に苦しんだ体験を何度も夢に見て、眠ること自体が怖くなったり十分な睡眠時間を得られず日常生活に支障をきたしてしまうような状況が、心的外傷が原因の悪夢障害であると考えられます。

パーソナリティ障害・うつ病・摂食障害などが原因

悪夢障害はパーソナリティ障害・うつ病・摂食障害などの精神的な疾患と併発しやすいことが特徴です。心的外傷がなくても、うつ病が原因のひとつとなって悪夢障害が起こる場合もあります。パーソナリティ障害・うつ病・摂食障害などの診断を受けた場合は、症状を緩和させるために飲む薬の副作用により悪夢障害が起きることも考えられます。

パーソナリティ障害とは?

人が生まれもっている性質(生物学的素因)と環境とにより形成され、思春期以降に次第に明らかになってくる人格の傾向のうち、本人あるいは周囲がその人格傾向により社会生活上の著しい困難を来してしまう病態

人格は、生まれもった性質や育った環境に左右されながら形作られ、思春期以降になるとある程度まで固定されます。パーソナリティ障害は、他者とのかかわりの中で衝動的な言動を連発したり突発的な行動をとってしまうことで、社会生活が困難となる障害のことです。

薬の副作用が原因で悪夢が引き起こされている

高血圧やうつの症状を和らげるために服用する、血圧を下げる薬や抗うつ薬などの一部には、神経伝達物質にはたらきかける成分が含まれている場合があります。人間の体はメラトニンの分泌によって睡眠をコントロールしていますが、メラトニンは神経伝達物質のセロトニンと密接にかかわりあっているため、神経伝達物質にはたらきかける薬が睡眠の質に影響するのです。これらの薬を服用した結果、悪夢を見続けている場合には主治医に速やかに相談しましょう。

睡眠環境が原因で悪夢を見る

悪夢障害とは睡眠障害の一種です。そのため、眠りたいのにうまく眠ることができない状況が、悪夢障害が起きるきっかけを生む場合もあります。夜勤や勤務時間が不規則な職業についている場合などで、周囲がうるさく眠れなかったり、深い眠りを得ることができない環境を長期間続けていると、睡眠障害が起こりやすくなります。

悪夢障害の原因に心当たりがない場合は?

時間をかけてどんなに考えても、一人では悪夢障害の原因が特定できない場合があります。思い当たる節がないのに悪夢障害が続く場合、速やかに専門医を受診しましょう。

悪夢障害を適切に治療するには

悪夢障害の原因を知るには

心的外傷後ストレス障害(PTSD)の人の多くは心的外傷が原因の悪夢障害に悩まされています。治療を適切に行なうためには、まずは自分の悪夢障害の原因を知ることが大事です。正しく原因をつかむためには、一人で判断せずに専門家を頼ることをおすすめします。

病院は何科を受診すればいい?

出典: http://www.syouei.net/case/086.html

診断チェックを利用した結果、悪夢障害が疑われる場合は病院で診断してもらうことが大事です。メンタルクリニックや心療内科を受診して、精神科医や心療内科医に相談しましょう。もし、悪夢を見る原因が精神的なストレス以外にある場合は、病院側から睡眠科やスリープクリニックなどを受診するようにすすめられるかもしれません。自己診断せずに、必ず病院側の指示に従いましょう。

専門家にメール相談や電話相談をする

「悪夢障害とは何か、定義がよくわからない」あるいは「自分が本当に悪夢障害か疑わしい」という場合や、いきなり病院を受診する勇気がないという場合は、専門家にメールや電話で相談をする方法があります。治療を始めたいけど勇気が出ないという人は、治療を始めるきっかけとして利用してみてはいかがでしょうか?

無料電話相談ホットラインの紹介 | JUST | NPO法人 日本トラウマ・サバイバーズ・ユニオン
電話相談等 |厚生労働省

その他にも、様々な団体やメンタルクリニックで、電話やメールでの相談を受け付けています。一人で悩まず必ず誰かに相談しましょう。

悪夢障害の治療方法の一例

具体的な悪夢障害の治療内容とは

 1.問診による心理テストが行われます。
 2.悪夢障害であると診断された場合、対話を中心とした心理療法あるいは精神療法が行われます。

 多くの場合、40分~1時間前後のカウンセリングを週1回~受けます。治療に必要な時間は個人によって大きく差があります。

心理療法とは?

出典: http://mmc.byoinnavi.jp/pc/free229568.html

臨床心理士が行なうカウンセリングのことを心理療法といいます。臨床心理士は診断や投薬などの医療的な治療を行なうことはできず、患者が自分の力で立ち直ることを支援することを役割としています。

精神療法とは?

出典: https://pixabay.com/ja/%E5%8C%BB%E7%99%82-%E4%BA%88%E5%AE%9A-%E5%8C%BB%E5%B8%AB-%E3%83%98%E3%83%AB%E3%82%B9%E3%82%B1%E3%82%A2-%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%8B%E3%83%83%E3%82%AF-%E5%81%A5%E5%BA%B7-%E7%97%85%E9%99%A2-%E5%8C%BB%E5%AD%A6-563427/

精神科医が薬物療法や対話によって患者を治療することを精神療法と呼びます。

悪夢障害の治療の種類

悪夢の原因に対抗する方法を知る「認知行動療法」

出典: http://www.heartfullife.jp/counselor/

認知行動療法は、悪夢の原因となっているストレスに対応するための方法について学んだり、悪夢を見ても過剰に反応しないように対処する方法について患者に指導する療法のことです。悪夢を見ても対処する方法を知っていれば焦らずに済み、精神的な余裕が生まれやすいといえます。あきらめずに繰り返し行うことで、より効果があると考えられます。 

「眼球運動脱感作療法(EMDR)」でトラウマを緩和

出典: https://www.lewispsy.org.uk/services/emdr/

眼球運動が脳の機能と深い結びつきを持っていることに着眼した治療法です。患者自身が悪夢を見る原因だと思われる出来事について語っている最中に、精神科医や心療内科医が動かす指先を視線だけで追いかけます。単純な治療法に思えるかもしれませんが、多くの医療の現場で採用されている効果的な治療方法です。

「心像リハーサル療法(IRT)」で悪夢をコントロール

日中に目覚めている状態で、悪夢の内容を変える療法です。たとえば「犬に追いかけられ逃げまどいながら汗びっしょになって目覚める」という悪夢のストーリーを「犬に追いかけられて逃げていると、棒切れが落ちていたので拾い上げて犬に投げつけたら犬は退散した」というように、悪夢のストーリーを変更してイメージします。何度も繰り返しているうちに悪夢の回数を減らしたりコントロールできるようになる効果が期待できる療法です。

悪夢障害の原因排除のためにできること

今すぐできる!悪夢を見ないようにする方法

悪夢障害とは、日常生活に支障をきたすほど悪夢を見続けてしまう障害です。悪夢障害が疑われる場合は病院を受診することが必要となります。しかし、毎日悪夢を見るわけではないけれど、ときどき強烈な悪夢を見て体調に悪影響を及ぼしてしまうという場合もあることでしょう。あるいは、病院を受診する前にできることがあればしてみたいという人もいるかもしれませんね。そんな人向けに、悪夢を撃退する方法についてお伝えします。

寝具を整える

出典: http://www.sleep.co.jp/category-latex/

就寝中の肉体的なストレスを取り除くことは、精神的な負担を軽くすることにもつながります。「枕の高さが合っていない」「マットレスの固さが合ってない」などの理由で睡眠が阻害されないように、寝具を整えましょう。長期間同じ枕やマットレスの使用を続けていると中身の素材がヘタってくるため、何年もの間同じものを使用し続けている場合は思い切って新調してはいかがでしょうか?

寝具を清潔な状態に維持する

出典: http://kakaku.com/article/pr/14/01_kahun/p3.html

カビやダニの死骸だらけの寝床を清潔に整えることで、悪夢に対処するだけでなく他の病気を防止するために役立ちます。敷布団やマットレスを天日干ししたり、布団用掃除機を利用して清潔に整えましょう。

遮光カーテンを利用する

出典: http://www.curtain-info.com/shading-curtain-types-and-choice

朝日を浴びることでメラトニンの分泌量が減り、人間の体は目覚めます。睡眠時間が不規則だったり明るい時間帯に眠っていなければならないスケジュールの時は、遮光カーテンを利用して朝日を効果的に遮断し適切な睡眠時間を確保しましょう。

悪夢障害に負けない!悪夢を退ける「バク」のおまじない

ここまで読んでいただいた人は、悪夢障害とは何か理解が深まったことと思います。同じように過去の悲しい経験があるのに悪夢障害にならない人もいます。人間によって、考え方や感受性の違いがあるためです。感受性が強い人なら、おまじないや神頼みがうまく作用することもあるかもしれません。悪夢を見た後「この夢をバクにあげます!」と、三回唱えましょう。バクは実在する生物ですが、様々な国の伝説の中で霊獣として登場する神秘的な存在です。

悪夢は逆夢になるジンクス

逆夢とは、自分が夢に見た願望や悪夢とは実際には真逆の出来事が起こるという、日本に古来からある考え方です。悪夢障害とは何かを学んだり、悪夢障害の治療がすすんでいく過程で、悪夢は逆夢だと考える余裕が生まれるといいですね。

悪夢障害の原因を知って正しく対処しよう

悪夢障害とはどんな障害なのか、原因や治療法をお伝えしてきました。病院へいきなり出かけるよりも、まずは悪夢障害に対する理解を深めてから、病院の予約を取って心の準備を行なうことがおすすめです。誰かに相談するだけで、気持ちが穏やかになる場合があります。一人で悩まずに気軽に専門家に相談してみましょう。  

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