江戸時代の平均寿命は短かった?詳しい理由や死因についてのイメージ

江戸時代の平均寿命は短かった?詳しい理由や死因について

現代の日本では平均寿命が80歳を超えており、世界的に見ても長寿の国として有名です。しかし、そんな長寿国で生きる日本人も江戸時代にはもっと平均寿命が低かったと言います。では江戸時代の日本人はなぜ平均寿命が低かったのでしょうか?2017年10月12日更新

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長寿大国日本

出典: http://mag.japaaan.com

今や日本人の平均寿命は80歳を超え、世界で見ても長寿国となっています。しかし、平均寿命で見れば日本人も時代を遡ると昔から長寿なわけではなかったようです。では江戸時代では日本人の平均寿命は何歳だったのか?なぜ平均寿命が短かったのかその死因を詳しく見てみるほか、戦国時代や明治時代での平均寿命の推移についてもチェックしてみたいと思います。

江戸時代の平均寿命は50歳?

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有名な戦国時代の武将織田信長は、「敦盛(あつもり)」という舞踊が好きで、その中でも「人間五十年化天(けてん)のうちを比ぶれば夢幻の如くなり(人の世の50年など下天の世界に比べれば幻のようなものだ)」という一節があります。

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下天とは、いわゆる天界の中でも欲が強く出た世界のことで、その世界は一日が人間でいうところの50年にあたり、その世界の住人は寿命が500年あるとされています。そんな天界と下界を比べた一節なのですが、この敦盛の内容から、戦国時代から江戸時代までの寿命は50年であると言われています。しかし、現代の平均寿命の算出方法で考えるとその平均寿命はもっと短かったと考えられています。

平均寿命ってどう計算するの?

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現代における平均寿命とは0歳の子が何歳まで生きられるかを統計的に予想した年齢のことを指します。例えば日本人女性の現在の平均寿命は86.8歳なので、今新しく生まれてきた女の子は、大きな病にかかったり、社会情勢が変化して治安が悪化してしまったりしない限りは87歳近くまで生きることが可能になります。そのため、現在例えば70歳程度の女性があと17年生きられる、と考えるのは間違いなのです。

平均寿命のポイントは乳幼児の死亡率

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しかし、平均寿命はあくまでも平均であり、平均寿命よりも早く亡くなる方も、長く生きる方もいます。そしてこの平均寿命を算出する上で重要となるのが乳幼児の死亡率です。極端に例えるなら、70歳まで生きた人が二人いたとしても5歳の乳幼児が一人死んでしまうとその平均値は48歳まで下がってしまいます。このように、乳幼児の死亡率が平均の寿命に大きな影響を与えているのです。

江戸時代では子供は5歳までに半分が死亡

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江戸時代には現代にあるような戸籍という制度が存在しなかったため正確な人口数を調べることができません。そのため、資料による推察の域を出ないのですが、江戸時代の日本人の平均寿命は35~45歳程度だったと言われています。現代の日本人に当てはめると子供の教育もある程度落ち着き始めていたり、バリバリ働いている年代ですので、中々受け入れづらい数字です。

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その中でポイントになってくる乳幼児の死亡率ですが、江戸時代では子供は5歳までに半分が亡くなっていたのだそうです。それは当時もっとも生活環境が整っていたはずの将軍の子供でも同様で、12代将軍家慶の子供は男女合わせて27人いたのだそうですが、その中で成人できた子供はたった一人だったそうです。江戸時代は医療技術が発達しておらず、予防注射もなかったため、ただの風邪でも命とりになることもあったといいます。

江戸時代では「七歳までは神のうち」

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江戸時代に当時の状況を表している言葉として「七歳までは神のうち」というものがあります。これは、「乳幼児はささいなことで簡単に死んでしまうから、七歳までは神様のものだと思っておこう、七歳を過ぎれば大丈夫だ。」という意味です。

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そんな状況であったため、子供の成長を祝う行事として「七五三」が生まれたのだそうです。江戸時代では、「七五三」は現代よりもずっと重要な意味を持っていたのですね。また、出産も現代よりも命がけの行為で、出産で命を落とす女性も多かったそうです。

江戸時代で多かった死因は?

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現代の日本での死因は皆さんご存知のように「がん」「心臓疾患」「脳血管疾患」などが多くなっています。では、江戸時代ではどのような死因が多かったのでしょうか?現代の日本のように統計が取られていたわけではないので何の死因が一番かというのは分かりませんが、やはり命を奪う病気として多いものは存在していたようです。

江戸時代に多い死因①:疱瘡(ほうそう)

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天然痘とも呼ばれる病で、1850年以降に治療法が確立するまで数十年おきに流行し多くの死亡者を出しています。疱瘡は体中に水膨れができ、治ったとしても跡が体に残ってしまうので別名「見目定め」の病とも呼ばれて完治したあとの患者も苦しめていました。

江戸時代に多い死因②:麻疹(はしか)

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江戸時代の中だけでも十数回にわたって流行し、江戸で出た死者の数だけでも24万人を超えるとも言われている恐ろしい病です。上の図は流行した際に配られた絵で、麻疹を擬人化して退治する様子を分かりやすく伝えるとともに麻疹に対する心得や体にいいとされる食べ物などを紹介していたのだそうです。

江戸時代に多い死因③:梅毒

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梅毒は特に吉原などの遊郭にいる遊女たちが感染し苦しんだ病です。症状が長期間にわたり続き、苦痛を伴うもので江戸時代には治療法などもなく水銀などで治療されていましたが、そもそも江戸時代に安全な避妊方法はなかったため梅毒にかかる遊女は非常に多かったといいます。

江戸時代に多い死因④:脚気(かっけ)

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これはビタミンB1が足りないことによって起こる病気で、神経障害によって足がむくみしびれる症状から脚気と名付けられました。江戸時代では特に江戸などの都市部などで非常に流行したそうです。食生活が変わり、玄米よりも白米を好んで食べられるようになり、白米とたくあんのみという食生活などが原因で栄養不足となり発症していたようです。特に上流階級である武家の人間などがかかりやすかったといいます。

平均寿命を超える長寿の人も存在した

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そんな平均寿命の低い江戸時代ですが、中には現代でも長寿と言える人物も存在しました。浮世絵師として有名な葛飾北斎は90歳で亡くなるまで現役で絵を描き続けていたそうで、日本地図の製作者として有名な伊能忠敬は56歳で隠居してから日本地図の作成を始めており、73歳まで生き続けました。

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また、水戸黄門として知られる水戸光圀も同様に享年73歳で、「解体新書」で知られる杉田玄白は享年83歳だったと言われています。江戸時代では隠居する年齢が45歳前後だったことから、乳幼児の死亡率を抜けば、江戸時代でもそれなりに寿命は長かったことが分かりますね。

戦国時代から明治・大正・昭和などの平均寿命の推移

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次に、日本人の時代ごとの平均寿命の推移を見てみましょう。日本人の平均寿命について室町時代など戦国時代から明治・大正・昭和などの平均寿命の推移を見てみると以下の通りになっています。

(時代)         (平均寿命)
室町~戦国・安土桃山時代   33歳  
江戸時代           45歳
明治24~31年         43歳
大正15~昭和5年        46歳
昭和10~11年         48歳
昭和22年           52歳
平成19年           82歳

戦国時代の平均寿命は江戸時代よりも10歳若い

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室町から戦国時代あたりを推移する平均寿命を見てみると江戸時代に比べて10歳ほど若いことが分かります。戦国時代が江戸時代に比べて医療技術が発達していなかったことも原因の一つと考えられますが、それ以外にも戦国時代では江戸時代に比べて戦が多く行われ、治安や衛生状態もあまり良くなかったことが推測されます。これらも室町から戦国時代あたりを推移する平均寿命を下げている要因の一つかもしれません。

明治の平均寿命は江戸時代とほぼ横ばい

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江戸時代から明治時代の平均寿命の推移を見てみるとその値は高くなるどころか低くなっています。上で紹介したように、平均寿命には乳幼児の死亡率の影響が大きく作用します。しかし、明治時代が始まった当初の医療技術は江戸時代のころから大幅な変化があったわけではなかったようで、乳幼児の死亡率の推移は江戸時代の頃とあまり変わりがなく、14歳未満で死亡した人を除いた平均寿命では、60歳を超えていたと言います。

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それに付け加えて、江戸時代の末期から明治の始め頃は激動の時代であり、江戸時代よりも刃傷沙汰や治安が悪くなっていたことも考えられます。これらも江戸時代から明治時代の平均寿命に影響を及ぼしたのではないでしょうか。

江戸時代の平均寿命まとめ

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江戸時代の平均寿命についてまとめてみましたが、その当時は出産も命がけであり、乳幼児の死亡率も非常に高かったために平均寿命が大幅に下がってしまっていたことが分かりました。そのため、比較的栄養状態のよかった将軍や偉人たちは長寿であったことも分かりました。

現代の日本でも長寿の国と呼ばれているのは、乳幼児たちを救う発達した医療技術のおかげなのかもしれませんね。

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